【澱あり】

  ワインに茶色っぽい沈殿物があることがあります。ワインは瓶に詰められた後も熟成し続けるという性質をもったお酒で、熟成が進む過程でワインの液中に溶け込んでいるタンパク質、渋み成分であるタンニン、ポリフェノール、酒石、アントシアニンなどの成分が徐々に目に見える不溶性の物質として現れる場合があります。これが『澱（オリ）』と呼ばれるものです。このオリが沈殿した状態は、若干渋みが抜けた状態で、その上澄みであるワインは程良くまろやかになっています。
  澱が発生しているワインを飲む時には、瓶底に沈むまでしばらく瓶を立てておき、振動を与えないよう静かに栓を抜き、静かにグラスへ注いでください。
  ワインボトルの瓶底の中心がくぼんでいるのはワインをグラスに注ぐ時に瓶底に沈んだ澱を舞い上がりにくくするためのもので、澱の発生を前提としている形状です。それほど澱は一般的なもので珍しいものではなく、澱の発生している量にもよりますが取り立てて品質面で問題にするようなものではないのです。

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